インボイス制度とは?消費税の計算方法をカンタン解説!

インボイス制度とは売手が買手に対して、正確な適用税率や消費税額等を示すものです。示す方法としてインボイス(適格請求書)に登録番号や適用税率等の記載がされています。

ではそもそもなぜインボイスが必要になるのでしょうか。それを理解するために、まず消費税の計算方法を確認しましょう!

消費税の計算方法を簡単に説明するなら?

原則的な計算方法

原則的な消費税の計算は簡単にいうと、売上に係る消費税から仕入れ・経費に係る消費税を差し引いて計算します。しかし消費税法で消費税が係るものとそうでないものが定められているので、単純に会計上の利益×10%が納付額とはなりません。例を挙げると従業員に支払う給与は経費になりますが、消費税の課税対象ではないので消費税の計算上は差し引くことができません。

参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/0020006-027.pdf

簡易的な計算方法(簡易課税)

原則とは異なる計算方法として簡易課税という言葉を耳にされたことがあるかもしれません。簡易課税というのは売上に係る消費税だけを集計します。そして差し引く方の仕入税額については、例えばサービス業であれば簡易的に売上に係る消費税の50%とします。仕入税額の計算は業種によって異なります。

売上に係る消費税さえ計算できれば良いので、仕入・経費についてはインボイスを集める必要がありません。ただし、経営状況によっては簡易課税よりも原則的な計算をした方が有利になることがあります。また簡易課税を選択するには基本的に基準期間における課税売上高が5,000万円以下の事業者である必要があります。届出を提出したり、厳密にはさらに細かい要件があるので注意しましょう!

インボイスがないと困る?必要な理由は

インボイス(適格請求書)が必要な理由は消費税の計算を原則的な方法でする場合に仕入税額控除を行うためです。インボイス制度になると経費を支払ったときに、支払った相手からインボイスを交付してもらわないと仕入税額控除ができなくなります。そのため多くの事業者が取引先にインボイスを登録してもらってインボイスを発行してほしいと考えるのです。

ただし、一般消費者から仕入を行うような特殊な業種はインボイスが不要なケースがあります。また簡易課税で消費税を計算している場合はインボイスが無くても影響がありません。

小規模事業者の経過措置

インボイス制度が始まり適格請求書発行事業者への登録を検討する方がいらっしゃると思います。インボイス制度に対応するために、いくつか特例が設けられています。その中でもよく使う制度について2つご紹介します。

2割特例

今まで免税事業者だった方がインボイス制度に対応するために課税事業者を選択するケースがあります。急に消費税の計算や経理処理に対応することが難しいので令和5年10月1日~令和8年9月30日までの日の属する課税期間(事業年度)については2割特例が認められています。

制度の内容は売上の消費税額の2割を納付するというものです。そのため、仕入や経費の消費税額を集計する必要はなく、売上の消費税額だけを集計できれば消費税を計算できます。原則的な計算と比較すると事務負担をかなり抑えることができます!

少額特例

インボイス制度において本来、仕入税額控除をするためにはインボイスの保存が必要です。しかし一定規模以下の事業者については、税込み1万円以下の少額な取引であればインボイスがなくても仕入税額控除を認めるという制度です(ただし一定の事項を記載した帳簿の保存が必要です)。

一定規模以下の事業者とは、基準期間の課税売上高が1億円以下もしくは特定期間の課税売上高が5,000万円以下の事業者です。基本的には基準期間というのは前々事業年度、特定期間というのは前年度の上半期になります。少額な取引であれば、ひとつひとつインボイスを確認して経理処理を変えるという必要がないので事務負担を軽減することができます。

インボイスの発行事業者(適格請求書発行事業者)になる手続き

インボイス制度における主な特例をご紹介しました。こちらを踏まえてインボイスを発行できる事業者(適格請求書発行事業者)になりたいと決断した場合には手続きが必要です。

適格請求書発行事業者の登録申請を行いましょう。原則、登録を受けたい課税期間の初日から15日前までに提出しなくてはいけません。

記載例や申請全般についてはコチラ(国税庁 適格請求書発行事業者の登録申請手続)

適格請求書の様式

適格請求書とは商品やサービスを売る側が買う側に対して、消費税率や消費税の金額等を正確に伝える書類です。インボイスを発行する事業者になれば下記の基準を満たしたインボイス(適格請求書)を発行する必要があります。

参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/0020006-027.pdf

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